三重県四日市市にある社会福祉法人ひよこ会の【ことり保育園】です。

ことり保育園の保育方針


ことり保育園のめざす保育

ひよこ会の子ども像

  • 自分の要求をしっかりと持ち出せる子ども
  • 健康で生き生きと遊べる子ども
  • 豊かな感性と表現力を持った子ども
  • 仲間を大切にし、思いやりのある子ども
  • 自然に親しみ、自然を愛する子ども

各年齢の子ども像

  • 5歳児 ・すすんで友だちと遊ぶ子ども                                  ・よく考え作り出す子ども

  • 4歳児 ・仲良く遊べる子ども                                                       ・何でもやろうとする子ども

  • 3歳児 ・よく遊ぶ子ども                                                             ・自分のことは、自分でしようとする子ども

  • 2歳児 ・友だちの中でのびのびと遊ぶ子ども

  • 1歳児 ・見守られていきいきと遊ぶ子ども

  • 0歳児 ・みんなに愛されてすこやかに育つ子ども

食の子ども像

  • 食欲があり、食べることを楽しむ子どもに
  • 自分の健康にとって望ましい物を選んで食べられるように

2024年度(令和6年度)  ことり保育園のテーマ
『子どもを真ん中につながろう ~ことりの輪・和・笑~ 

2017年の6月、ことり保育園は、たくさんの方に見守られひよこ会の第3園目として開園しました。それから7年。ひよこ会で大切にしたい『くう・ねる・あそぶ』を柱に、この地域、環境、社会の中で育つ子どもの姿をみつめながら、0から5歳児までが自由に暮らし、その子らしい自信と主体性、思いやりが、育つプロセスを大切に『子どもが考え自分で決める、どんな思いも大事に育ち合う』とことりの保育を積み重ねてきました。そして今年度も『子どもを真ん中につながろう ことりの輪・和・笑 』をテーマに掲げ、子育ての楽しさも大変さも分かち合い、大人も子どもも繋がり、みんなでことり保育園を楽しんでいきたいと思います。

〈1・子どもの権利条約をみつめて〉

2023年4月 子ども家庭庁が発足し、子どもの最善の利益を第一に考えた子ども真ん中社会の実現に向け、子ども権利条約に基づき「子ども基本法」が成立しました。これからはこの基本法をもとにして保育・子育てを考えていく時代となりました。ことり保育園は今までも子どもの思いを第一に保育を創ってきましたが、今、この基本法ができたことで、子どもの思いを尊重する保育の土台が明確になったと思います。

基本法の4つの柱

生きる権利・育つ権利 
・「すべての子どもは命が守られ、成長・発達する権利があります」
・「すべての子どもはやりたいことができ なりたい自分になれる権利があります」
表現の自由 参加する権利 
・「子どもたちは自分の気持ちや感じたことを自由に表し、ものごとに参加する権利があります」   
・「子どもたちは自分のことは自分で決める権利があります」
差別の禁止  
・「すべての子どもはすべてにおいて差別されず生きる権利があります
子どもの最善の利益を守る権利  
・「大人は子どもにとって何が一番大切なのかを考えなければなりません」

 

ことり保育園は8年目を迎え、保育実践が積み重ねられていく中で、今、子ども達の育ちに、生きる強さと優しさなど大きな手ごたえを感じます。子どもの人生は生まれた時から子ども自身のものであり、赤ちゃんの時から子どもは自分の気持ちを持ち、生きています。それをより良く発揮し、成長していくためにも私たち大人は、子どもに寄り添い、こどもが自分で決める自由と信頼感の中で、子どもたちを育んでいきたいと思います。

〈2・子ども一人ひとりのやりたい思いを叶える保育って〉

 『子ども一人ひとりのやりたい思いを叶える保育』ってどういうことでしょうか?一人ひとりの願いを叶える保育はできるのでしょうか? それも赤ちゃんの時から?と感じますが、子どもは小さな時からしっかり自分の意志があり、個性があります。それはまだ言葉を持たない年齢でも、表情や姿から対話を通し分かり合い、0歳でもきちんと、自分のやりたいことを持ち、楽しんでいこうとするのです。言い換えればそれが “自ら発達する” ということです。

また毎年、おおたか組はことり最後の一年“おおたかでやりたいこと(例えば海に行く、かなへびをとるなど)”をみんなで考え、一つひとつ子どもたちの思いを叶える保育を楽しんでいきます。願いを叶えるのは子ども達自身であり、そのための話し合いも楽しみます。そして卒園する頃には彼らの夢はほとんど自分たちで叶え、その達成感と満足感を持ち卒園していくその姿は,自信に満ち溢れています。

また一人ひとりのやりたいことを伝え、見通しを持ち叶え合う日々は、自分の意見が周りに尊重される実感と、その子らしさを認め合っていく姿となり、また人の好きなことを知ることは、自分の興味が広がり、「やってみたい、やってみたら楽しかった」という意欲となっていきます。きっとこの力は、これからの人生、夢をもち、夢を叶えていく未来へと繋がっていくことだと感じます。

〈3・コロナ禍を経験した中で…改めて感じた人と人の繋がる楽しさ…〉  

開園と同時に入園し、ことり保育園を創ってきた親が卒園時にこんな言葉を残してくれました。「ことりで子どものやりたい思いを大切にしてもらえた。それと同じように、親のどんな思いも大切に受け止めてもらえた。だからこんな楽しい親子の仲間、つながりが生まれた」と。開園し7年、その内4年がコロナ禍となり、保護者と共に積み上げた『ことり盆踊り』やみんなの会の『おやどり劇場(職員と保護者の劇)』などは変更を余儀なくされました。しかし、保護者は、コロナ禍の中でも子ども盆踊りやみんなの会も簡単にやめるということをせず、今子どもたちのために出来ることは何だろうと何度もみんなで話合い、縮小にはなりましたが、ことり盆踊りは行い、ことりみんなの会では、『おやどりもやってみよう』と、コマ、けん玉、ダンス、筋肉披露など大人もアイデアを出しながら自分らしさを楽しむ姿を披露してくれました。この姿は「どんな時でもみんなで知恵を出し合えば、乗り越えていける」「人は一人ひとりが違うから素敵であって、思いを表現できるって嬉しいし、みんなでやってみると楽しかった」等、その人らしさを楽しむ大切さを子どもたちだけでなく、大人にも伝えてくれました。そして昨年度は運動会ではお弁当も復活し、「運動会でおにぎり食べたのが一番楽しかった」と話す子どもたちがたくさんいました。改めて今、人が繋がり合うことの大切さを感じ、これからも懇談会や、行事、交流会、奉仕作業などで交流し、人と繋がり、安心して生きていくことができる社会を、子どもたちへと伝えていきたいと思います。 

 〈4・今の社会をみつめて〉 

今の社会では効率的に、簡素化に…という言葉がよく聞かれるようになりました。しかし、効率的にいかないのがこの子育てです。よく昔から「手塩にかけて育てる」と言ったものですが、大人が面倒と思うことほど子どもの心を育てる大切なものがあると思います。

また保護者からは、ことりの保育をみて「学校で座っていられるか心配」「決まったことを全員ですることも必要では」と疑問を投げかけてくれたことがありました。

しかし、今3年生になった卒園保護者が、「○○さんは、自分の考えをきちんと伝えられるし、人のどんな意見も大事にできる、主体的に物事を考えられ、ルールがあってもそれをこえて考えることができている 今はそういう力が子どもにも求められています」と小学校の先生からたくさん誉められたそうです。「きっとこれはことりの保育がこの育ちとなったと思う」と話してくれました。 また学校で座って授業を受ける力は、座る練習では育ちません。それは「学ぶことがたのしい」という好奇心と、姿勢を保つ筋力が必要です。その土台こそ遊びで育つのです。知りたいと思う好奇心、やりたいことが叶えられる身体をこの乳幼児期にしっかり育んでいきたいと思います。

又、昨々年度は保護者から「布おむつ」「はだし」「薄着」「生活リズム」「子どものいやに付き合っていたらわがままになるのでは」「けんかを大人は止めないの?」「YouTube、ゲームはよくないとわかっていても、子どもがやりたいというから」「読み書きを早く習得しなくていいってどういうこと」など悩みも聞かれました。ことりで大切に思う子育てや保育を、保護者と共にもっと考える必要があることを実感し、職員でも改めて学習し直し、伝えてきました。今年度も引き続き伝えて行こうと思います。

そして、昨年度は様々な保育の場面記録や幼児教育センターの研修・全国研修など、子ども基本法について学びながらことりの保育の大切さを感じました。

≪ことり保育園では各クラスで保育テーマを決め一年間、保育に取り組んでいきます≫

   クラス名をクリックする詳しい保育方針がでます

かるがも(0歳児)

『安心を土台に「いろんな”はじめて”をたのしもう』 ~ことりをまるごと好きになろう~
 ・安心を土台に好きな人・こと・ものを見つけていこう!
 ・いろいろな発見を、ことりでの生活を子どもも大人も楽しんでいこう!
 ・食べることを楽しもう
 ・生活リズムの基礎をつくっていこう
 ・楽しいこと、おもしろいものをたくさん見つけよう

あひる(1歳児)

『安心できる大人や友だちの中で世界を広げていこう』
 ・思いをたっぷり出して自己主張に花を咲かせよう!
 ・安心できる大人と仲間の中で一人一人の子どもたちが思いを出せように
 ・沢山の人に見守られ異年齢・同年齢の仲間たちの中で探索活動をたっぷりしよう!
 ・食べることを楽しもう
 

すずめ(2歳児) 

『心地よいなかまの中で、心のねっこを育てよう』~友達と繋がり世界を拡げよう~
 ・友だちの輪をつなげよう
 ・愛情をいっぱい感じで”自分ってすごい”誇りを大切に!
 ・安心してできる大人・仲間との生活を土台に生活の居場所を過ごしていこう

ひばり(3歳児) 

『すてきなこと、おもしろいことに夢中になって遊ぼう』~イッチョマエを大人も一緒に愉しみましょう~
 ・イッチョマエ!の心とともに
 ・一人ひとりの今を大切に
 ・子どもたちなりの納得を大切に
 ・いろんなことを挑戦しよう!
 ・大人の世界へあこがれが広がるとき、ごっこ遊びの世界も広がる
 ・会話の花が花開くとき

つばめ(4歳児)

『自分の思いを伝え、自分の世界を広げていこう』~だんなことでもいっぱいやろう・あそぼう・つばめっこ~
 ・仲間と共に生活の主人公になろう
 ・仲間と共にしゃべりこもう・考え合おう
 ・仲間と共に遊びこもう
 ・仲間の声をきこう
 ・命に触れよう 生き物との出会い
 ・探求心や好奇心を大切にしよう
 ・つくる・食べる楽しさを味わおう

おおたか(5歳児)

『仲間の中でひとりひとりが自分らしく咲き誇ろう!』~みんなはひとりのためにひとりはみんなのために~
 ・話し合う楽しさを感じ、自分の思いを語ろう!
 ・育ちあえる仲間づくりを通じて、自分もがんばろうとする心を大切に
 ・自分たちの生活を自分たちで創り出す楽しさを
 ・クッキングや野菜の栽培を通じて作る楽しさやおいしさを感じよう
 ・大人同士は大切な子育て仲間… みんなで子どもたちの成長を喜び合おう
 ・異年齢のかかわりを大切に… 小さい子への関わりで頼られる喜びを